複素LPC音声分析を用いたロバストF0推定(合成,生成,韻律,一般)

概要

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解析信号を対象信号とする複素音声分析に基づく音声のロバストF0推定方式の研究を行っている。解析信号は正領域のスペクトルしか有しないために、低周波数領域でのスペクトル推定精度が向上する。一方、LPC残差を用いた自己相関関数やAMDFによりF0推定を実現すると、推定精度が向上することが知られているが、基本周波数と第1フォルマントが隣接している場合、両者を分離できず推定精度は劣化する。複素音声分析により推定される複素残差信号に対する、自己相関関数やAMDFを用いて、F0推定を実現すれば、推定精度の向上が期待される。そこで、筆者らは、島村らが提案した自己相関関数とAMDFの比による評価尺度を採用し、複素残差信号を用いたF0推定方式の提案を既に行った。音声信号、解析信号、LPC残差信号を用いたF0推定方式との比較を、白色雑音を重畳した音声を用いて行った結果、複素残差信号による提案方式は、ノイズレベルが極めて高い場合、従来方式よりもロバストなF0推定を実現することがわかった。本稿では、白色雑音以外のピンクノイズとHFチャンネルノイズを付加した音声に対する評価結果を報告する。
2006-08-23