常圧・高酸素室の試作と運動療法への応用

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
この研究の目的は簡易使用のできる常圧・高酸素環境室を試作することと,それを呼吸器疾患の患者や高齢者の運動療法への応用の可能性を検証する事である。常圧・高酸素環境室は塩化ビニール製のテントで作成し,高酸素空気の生成にはポリイミド中空糸膜を利用した膜分離システムを用い,酸素濃度が通常空気(20.9%)から35%まで任意に設定が可能である。酸素濃度20.9%と30%の環境下で安静時と運動時の生理反応を比較した。20.9%での安静時の酸素飽和度は98.1%から運動時には96.9%と減少したが,30%では安静時と運動時に変化は見られなかった。また,心拍数を120bpmに固定した運動負荷テストにおける身体作業能力は,酸素濃度20.9%で73.3Wで30%では94.1Wと有意に高かった。これらの結果は,常圧・通常酸素環境下では十分に体力の維持や改善ができない呼吸器疾患患者や高齢者を対象に,今回試作した常圧・高酸素室の利用の有用性を示唆するものである。
2006-08-25

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク