市場経済化におけるベトナムの経済発展
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概要
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本稿は,ベトナムにおける経済改革政策(ドイモイ政策)が実施された1986年以降の経済発展の特徴と今後の持続的発展のための課題を明らかにした。主な結果として,第一に,土地生産性および生産面積の同時増加によってコメ生産が飛躍的に発展し,農業部門の安定的成長や輸出拡大に貢献した。土地生産性の増加には,肥料投入の増加による貢献が最も大きく,また灌漑面積の増加やドイモイ政策の実施などが大きな要因であることを定量的に実証した。しかし,灌漑面積率が減少傾向にあり,水利投資をはじめとする農業土地基盤整備の推進や土地生産性の地域間高位平準化などが必要である。第二に,1992年から1997年頃までに工業化が大きく進展し,経済の高度成長が実現された。これらは外国直接投資や輸出の拡大によるところが大きい。しかし,工業化の進展や経済発展に伴って産業構造は大きく変容したが,就業構造はほとんど変化しておらず,大量な農業過剰労働力を吸収するための国際的競争有意性をもつ労働集約型産業の振興戦略の構築が必要である。
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