説得話題の思考時における脳波トポグラフィ : Cacioppo et al.(1982)の再検討
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概要
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本研究は,Cacioppo et al. (1982)の実験方法を用いることにより,説得話題の思考時のEEG活動を検討するものである.被験者は4名であり,実験条件は,2(話題:親態度的・反態度的)×2(思考時間:20秒・90秒)であった.それに加えて,EEG活動の各帯域におけるパワー値の頭皮上の電位分布を検討するために,マッピング法を用いた.全ての周波数帯域において,親態度的話題と比較して反態度的話題の方が,頭皮上全体のパワー値が増大していた.特に前頭領域において,その差が顕著であった.それに加えて,親態度的話題と反態度的話題に共通して,後頭領域と側頭領域のパワー値,特に後頭領域において顕著な増大が認められた.また,思考時間の違いにおいて,左右差の変化は認められなかった.最後に,説得研究に対する,これらの結果の意義や限界,そして心理生理学的アプローチの有効性について議論された.
- 愛知学院大学の論文
- 2006-03-10
著者
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石田 光男
愛知学院大学大学院文学研究科
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伊藤 君男
愛知学院大学大学院心身科学研究科心理学専攻
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石田 光男
愛知学院大学心身科学部心理学科
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伊藤 君男
愛知学院大学大学院文学研究科心理学専攻
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伊藤 君男
愛知学院大学
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