産後1ヵ月の育児協力者別にみた褥婦の乳児への愛着と母親としての意識

概要

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女性が母親としての役割を受け入れ肯定的な気持ちで育児するためには,産後早期の育児支援は重要であると考える。そこで,産後1ヵ月における育児協力者の把握と育児協力者別における褥婦の乳児への愛着や母親としての意識との関連を明らかにすることを目的に,産後1ヵ月の褥婦63名を対象として,質問紙調査を実施した。その結果,産後1ヵ月における育児協力者は夫,実母,義母の三者であり,褥婦の身近にいる家族が担っていた。育児協力者別による乳児への愛着をみると,育児協力者が実母や義母の場合,夫の場合と比較して乳児への愛着得点が有意に高い結果であった。また,母親としての意識では,育児協力者が実母の場合,「母親として活動しているときが自分らしい」など母親としての肯定的な意識が高かった。夫や義母の場合では,「子どもがいるため自分の思いどおりにできな」など,制約感や負担感に関する意識が高かった。産後1ヵ月という産後早期における育児支援では,育児協力者や育児環境を把握することの必要性が示唆された。
日本母性衛生学会の論文