妊産褥婦に対する三陰交ツボ刺激の効果に関する助産師の認識

概要

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総合病院に勤務する助産師103名を対象に,三陰交ツボ刺激の効果に関する情報の認識について調査を行い,72名より回答を得た(回答率70%)。72名の助産師は全員,三陰交ツボ刺激の情報を有していた。三陰交ツボ刺激の情報は1989年以降,認知されはじめ,主に「学校の授業」や「同僚との会話」により伝播していた。過半数の助産師が「陣痛の誘発,促進」「産痛緩和」「分娩時のリラクゼーション」を三陰交ツボ刺激の効果として認知していた。そして,助産師はこれらの効果を期待して,三陰交ツボ刺激を妊産婦ケアに取り入れていた。しかし,三陰交が「古くは妊婦には禁忌のツボであった」ことの認知率は10%にすぎなかった。57名(79%)が妊産褥婦のケアの中に指圧や足浴を主体とした三陰交ツボ刺激を取り入れた経験をもっていたが,三陰交ツボ刺激の施行後に助産師が「効果が得られた」と主観で評価した割合は40%であった。妊産褥婦に対する三陰交ツボ刺激の効果は十分に検証されていないにもかかわらず,ほとんどの助産師が三陰交の情報を認識していた。しかし,その効果や手技についての認識は曖昧であった。