教育の論理に基づく教員身分保障制度構築の必要性 : 教育公務員特例法の制定経緯の検討から
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概要
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戦後当初、教育公務員特例法の前身として、田中耕太郎の構想に基づいて「教員身分法案」が立案されていた。これは、国、公、私立を問わず、また、大学教員だけでなく初等・中等学校の教員にも高度な身分保障を行おうとするものであった。しかし、CIEは私立学校教員を含めることに強く反対した。GS公務員課は、国家公務員法と地方公務員法で十分であり、教員身分法などは全く不要であるとした。日本側がねばり強く交渉して教特法の成立にこぎ着けたが、その間に「教員身分法案」は公務員法の特則に矮小化され、内容も大幅に削られてしまったのである。教特法による教員の身分保障は、政治からの行政の独立という原理に基盤をおいたが、それは本来のあり方ではない。教育の独立の論理に基づく身分保障の制度が今こそ構築されなければならない。
- 2006-03-31
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