鹿児島における若年層の生活文化調査(第2報) : 大学生の生活状況と文化に関する意識と実態調査
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概要
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今回、鹿児島にある2つの大学に通う対象者の比較を通して、大学生の消費を含めた生活状況と身体、文化に関する意識と実態を調査した。その結果は次に示す通りである。1)生活:生活時間については、テレビを視聴する時間が長かった他は、睡眠時間を始めとして少なめであった。生活や大学生括に対する満足感は、心の面ではやや少なかったが、満足する者が概ね多かった。学業の目的では、実社会ですぐに役立つ技術や知識を得たいとする者が多かったが、学業全般に対して不満がやや多からた。アルバイトの経験は、アルバイトをした者にとって有意義な経験として肯定的に捉えられていた。生活の不安としては、多くの者が将来の職業を挙げた。親子関係では、しつけによって強く伝わっているメッセージが見られた。食生活は、居住方法との高い相関が予想された。2)身体:健康については、関心の高さに比べ、それに伴う顕著な行動は見られなかった。身体感覚については、痩身願望と軽い筋肉崇拝が男女別に受け取れた。心身の状態は、1999年の調査に比べて不定愁訴の割合が増えていた。3)文化:余暇の過ごし方は、テレビの視聴やぼ一つと何もせず費用のかからない方法を答える者が多かった。雑誌や漫画はよく読まれていたが、新聞はあまり読まれていなかった。スポーツについては、積極的・日常的にされているスポーツは少なく、観戦は、テレビ中継されスピード感のあるスポーツが好まれていた。嗜好品については、タバコの習慣的な喫煙者は少なかった。4)消費:生活費の支出については、携帯電話代が予想よりも少なく、娯楽費、被服費とともに1万円以下が占めた。所有物は、自分のお金で購入したものは少なかった。欲しいものは、「物」と同時に、「旅行」が多かった点が特徴的であった。購入時の判断基準は、「価格」を1番に挙げていた。貯蓄の実態については、目的を持って貯蓄している者は3割程度で、金銭感覚については、他の質問結果とも併せて堅実さが伺われた。5)意識:将来の見通しについては、「明るい」と予想している者が多かった。価値や生きがいについては、自分を中心にした親しい人間関係を重視し、人生の目標では、「自分らしく生きる」という回答が目立った。自己評価については、概ね評価が高かったが、創造性、個性、積極性については他の項目より低かった。自己像については、「こども」と回答した割合が半数近かった。労働観と就職観については、社会状況を背景に意識が高く、堅実なものであった。規範意識は、法律に触れる項目についてとくに高かった。日本に対する認識は、「歴史や文化遺産」が誇れる国だと評価し、半数以上が鹿児島に愛着を感じていた。社会観は、社会に対する共通認識が低いことを背景とした結果となった。結婚観は、約半数が「結婚すべき」と答え、配偶者に対する条件には、精神性といった曖昧なものを求めていた。さらに、配偶者の職業については、意識ではいわゆる伝統的な家庭内の性別分業は否定されていた。
- 2004-03-31
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