鹿児島における若年層の生活文化調査 (第3報) : 大学生の生活状況と文化に関する意識と実態調査のクロス集計結果
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概要
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鹿児島市にある国立大学と公立短期大学に在籍する大学生を対象に、生活、身体、文化、消費についての実態と意識に関して質問紙調査を行った。前報では、全ての質問項目について単純集計を行い、各回答結果をまとめた。本報告では、性別、年齢、出身地、居住方法、生活に対する満足感、大学生活に対する満足感によるクロス集計を行い、前報での回答内容を説明できる要因を捉えることを試みた。その結果は次の通りである。1) 性が説明要因と考えられる結果 : 多くの質問項目の回答差に性の違いによる影響が見られた。生活については、まず、生活時間に男女差が見られ、学業やアルバイトの目的、友人関係、生活の不安、親子関係、食生活にも差が現れた。身体については、ボディイメージの捉え方に著しい違いがあった。文化については、余暇の過ごし方、雑誌の購読、スポーツ、嗜好品に対する回答に男女の違いが影響した。消費については、まず、月平均の支出額、所有物、欲しいもの、購入の際の判断基準、貯蓄に関する質問に関して男女間で異なる回答結果を得た。意識については、多くの項目で差が見られ、価値観、人生の目標、規範意識、生きがい、社会、結婚に対してであった。とくに、結婚観や配偶者の結婚後の働き方に対しては、現在の状況や社会背景も反映されていた。2) 年齢が説明要因と考えられる結果 : 年齢差が1歳刻みであったため、有意差が認められる質問項目は少ないと予想していたが、生活、文化、消費、意識に関して相違が現れた。生活については生活時間や生活に対する満足感、学業の目的、生活の不安に対して違いが見られた。文化については、観戦するスポーツの種類と嗜好品のタバコの利用が年齢によって相違した。消費は、月平均の支出額が異なった。意識については、自己像と規範意識に年齢差が現れた。3) 出身地が説明要因と考えられる結果 : 出身地の違いによる回答差がみられた質問項目は、生活と意識に関してであった。生活については、生活および大学生活に対する満足感、生活の不安、親子関係で違いが見られた。意識では、価値観、人生の目標、地域への愛着、配偶者に望む働き方について、出身地による考え方の相違が現れた。4) 居住方法が説明要因と考えられる結果 : 10以上の項目で影響が見られた。とくに、生活に関して居住方法の相違が影響したと考えられる項目が多かった。それは、生活時間、生活と大学生活に対する満足感、友人関係、生活の不安、親子関係、食生活であった。文化については、余暇の過ごし方と嗜好品の利用状況に違いが見られた。消費では、月平均の支出額が異なった。意識については、人生の目標と地域への愛着で異なった考え方が現れた。 5) 生活への満足感が説明要因と考えられる結果 : 生活に関する項目では影響が見られ、生活と大学生活への満足感についてはとくに違いが見られた。その他、生活の不安、親子関係でも異なっていた。身体では、心身の状態、意識については、将来、自己評価、就職観、生活志向、地域への愛着、余暇の希望する過ごし方で相違が現れた。 6) 大学生活への満足感が説明要因と考えられる結果 : 生活では、大学生活への満足感、友人関係に違いが見られ、心身の状態へも影響していた。意識については、将来、自己評価、就職観、ゆとり時間の使い方において、大学生活への満足感との関わりが明らかになった。
- 2005-03-31
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