被服の色彩嗜好と評価に及ぼす呈示刺激素材の影響 : 予備測定結果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今回,色彩嗜好調査・測定に用いられる試料素材の有効性を検討することを目的に,異なる2つの試料素材を呈示する一対比較法を用いて,色の嗜好や評価に影響を与える刺激素材を検討する予備測定を行った。その結果より次の点が示唆された。1)色相R(赤),B(青),G(緑),Gy(灰色)は嗜好と評価に素材の相違による影響は少なく,トーナルカラーを嗜好調査・測定の試料素材としても問題はないことが今回の測定では示された。2)主効果に有意差が認められ,嗜好あるいは評価に素材の種類が影響すると考えられる色相はY(黄),W(白),Bk(黒)であった。ただし,色相Yと色相Wは高明度色で台紙の色の影響を受けたため,さらに測定方法に検討の余地がある。3)主効果の推定値は色相Yと色相Wで同傾向を示し,クレープペーパー(紙),ブロード(布),トーナルカラー(紙)の順に嗜好と評価の程度が高くなった。4)色相Bk(黒)は主効果の分散比値が顕著に高い上に,素材ごとの推定値も差が大きく,トーナルカラー,クレープペーパー,ブロードの順に嗜好と評価の程度が高くなる結果となった。色相Bkでは色彩嗜好調査・測定の試料素材としてトーナルカラーを用いた場合,正確で充分な結果の把握は難しいのではないかと考えられる。なお,本報告は色彩フォーラムin福岡〜第1回色彩研究会(2002年12月)において口頭発表した内容に,加筆訂正したものである。
- 2003-12-24
著者
関連論文
- 5A-1 布表面の反射特性と色の見え方について : 偏光フィルタとマイクロスコープによる測定結果から(5A 素材,口頭発表,第41回全国大会要旨集)
- 関西支部九州色彩カラーネットワーク 研究会in福岡2009実施報告
- 鹿児島における若年層の生活文化調査(第2報) : 大学生の生活状況と文化に関する意識と実態調査
- 被服の色彩嗜好に及ぼす呈示刺激素材の外観評価への影響 : 黒を中心に素材表面の方向、種類、明度についての予備測定結果
- 被服の色彩嗜好と評価に及ぼす呈示刺激素材の影響 : 予備測定結果
- 布表面の反射特性と色の見え方について : 偏光フィルタとマイクロスコープによる測定結果から
- 関西支部九州色彩カラーネットワーク研究会in福岡2009実施報告
- 鹿児島における若年層の生活文化調査 (第3報) : 大学生の生活状況と文化に関する意識と実態調査のクロス集計結果
- 色名使用の実態と被服着用嗜好色に関する研究 : 日本とメキシコの女子短大生の比較を通して
- 配色実習がイメージ認知に及ぼす影響(第2報) : 配色実習継続との相関
- 配色実習がイメージ認知に及ぼす影響(第1報) : 初期段階における比較
- 上肢下垂形態と半袖の構成
- 色名使用の実態
- 多変量解析による体型の研究
- 上肢下垂形態と長袖の構成
- A1-1 布表面の反射特性と色の見え方について(表面の特性と見え,口頭発表,第39回全国大会要旨集)
- 女子短大生における被服行動の判断基準とその背景要因 : 被服購入場面と被服着用場面での意識・行動調査結果から
- 染色布の分光反射と色度変化
- P09 薩摩切子(ポスター発表,第39回全国大会要旨集)
- 被服の色彩嗜好に及ぼす素材とその面積の影響
- 青年期の成熟度と色彩イメージの相関に及ぼす色の三属性の影響
- 色の三属性が若年層の成熟度と色彩イメージとの相関に及ぼす影響
- 若年層の成熟度と色彩のイメージ認知との相関について
- イメージ認知と配色訓練継続との相関
- 配色実習がイメージ認知に及ぼす影響
- 3X-1 布の反射光解析に基づく反射モデルパラメータの推定(3X 色覚情報(2),口頭発表,第42回全国大会要旨集)
- マイクロスコープを用いた輝度及び輝度分布の推定法
- P-5 布微小面の反射率算出法の検討(研究発表,第1回秋の大会特別号発表論文集)