東京近郊における畜産業の現状と展望 : 千葉県船橋市を事例として
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概要
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船橋市は東京近郊に位置し,かつては東京市民に対する畜産物供給地として生産物を有利に販売し,農家は高い収益をあげてきた.ところが,高度経済成長期を通じて離農と農地の宅地転換が進み,一帯は都市住民のベット・タウンと化した.今日まで残った少数の畜産農家は孤立し,畜舎や飼料畑は都市住民の住宅に囲まれ,しばしば公害や環境汚染の元凶と忌み嫌われるようになった.加えて,畜産物は国内生産と輸入量の増加で過剰傾向にあり,生産者価格は低迷している.こういう環境で農業を維持していくためには,広い農地が確保されていて,そこで飼養頭羽数規模を拡大し,高い収益をあげることが必要である.本研究の分析結果では,酪農経営では32〜40頭規模で年間農業所得882万円,養豚経営では育成豚1,548頭規模で同881万円,義鶏経営では採卵鶏12,500羽規模で同664万円を得て,これらの経営では都都勤労世帯の所得を上まわり,将来もこの地で経営が維持されていくであろうと推測される.だが,乳牛飼養頭数25頭以下の経営,採卵鶏1万羽以下の養鶏,肥育豚の生産頭数1,000頭以下の経営規模ではむずかしいと思われる.
- 千葉大学の論文
- 1987-03-30
著者
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