5-HT_<1B/1D>受容体作動薬sumatriptanのラット脳循環に与える影響について

概要

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片頭痛急性期治療薬,sumatriptanの作用機序の詳細を明らかにする目的で,CO_2吸入によるラット脳血流増加反応に及ぼす本薬の影響を検討した。線条体の脳血流量は水素クリアランス法で測定し,頭頂部大脳皮質の血流はLaser-Doppler血流計で測定した。その結果,sumatriptan succinate 0.6μg/kg,あるいは6.0μg/kgの投与は線条体および皮質血流いずれも影響しないことが明らかとなった。また,5%CO_2吸入後の脳血流増加状態において,sumatriptan succinate 6.Oμg/kgは線条体,および皮質血流ともに有意に減少させることが明らかとなった。sumatriptanは高血中CO_2濃度条件下において血管収縮作用を示すと考えられた。セロトニン5-HT_<1B/1D>受容体作動薬sumatriptanの脳血流減少作用は,血管外膜に存在する5-HT_<1B>受容体を介するメカニズムよりも,脳血流の化学的調節に関係する脳血管平滑筋に存在する5-HT_<1B>受容体への直接作用によるメカニズムが想定された。
北里大学の論文
2002-02-28