慢性精神分裂病患者に対する新心理テストMMPI-2の施行 : 基礎尺度と内容尺度の検討
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概要
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慢性精神分裂病患者229名(男性123名,女性106名)に2週間間隔でMMPI-1(現行テスト)とMMPI-2を施行し,次の所見を得た。(1)MMPI-1とMMPI-2を基礎13尺度別に比較したところ,ピアソンの相関係数は男性0.812(平均),女性0.804(平均)であった。(2)13尺度の因子分析において,MMPI-1,MMPI-2共に4因子が出現したが,男女の各因子とも極めて類似していた。(3)基礎尺度をプロフィール分析すると,MMPI-1では異常性が出難いが,MMPI-2では異常性が浮かび上がり,精神分裂病像が著明となった。(4)新しく紹介された内容尺度のプロフィールでは,不安,抑うつ,風変わりな思考,低自己評価,就労障害,医療不順応の尺度が高値になった。(5)2点高点コードパターンを比較したところ,MMPI-1とMMPI-2の所見に大きな変化はなかった。以上の所見をもとに,MMPI-2のMMPI-1との基礎尺度等質性,2点高点コードパターンの等価性を確認し,新内容尺度の有用性を述べ,精神医療臨床上に役立つことを論じた。
- 北里大学の論文
- 1999-10-31
著者
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