爆発圧着法による焼結鉄クラッド材の作製と評価

概要

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異なる特性を有する2種類以上の金属からなる積層型の金属系複合材料を構成するクラッド材は耐食性,耐磨耗性,耐熱性などの優れた機能を有し,かつ経済的な特徴を持つ.クラッド材の製造法の1つである爆着法は爆薬で発生した圧力により爆轟波を伝え,飛翔板を母板に衝突させ両接合板の界面に塑性流動を起こして圧着する.本法は接合力が大きく,融点や熱膨張係数に差異があっても接合でき,金属間化合物が生成し難く,板厚に制限がないことなど優れた特徴をもつ.本研究は鉄粉末を母材とした焼結材に,SS41軟鋼を飛翔板として爆着法による接合を行った.その結果,次の結論が得られた.(1)爆着による焼結鉄とSS41軟鋼の接合は良好で,得られたクラッド材の界面が規則的な波状を示した.(2)接合界面近傍の硬度は,界面部分の硬度が高く爆着クラッドの特徴を示す.(3)接合界面のせん断強さは高い.(4)せん断後の破断は焼結鉄側で生じ,せん断強さは焼結鉄の機械的性質に左右される.(5)SS41側の破面のSEM組織は,爆轟方向に塑性変形し,焼きなまし後は変形した粒子が丸みを帯び,気孔が明瞭に現出する.
2004-03-01