生演奏が生体とこころに及ぼす影響
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概要
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音楽が生体とこころに良い結果を及ぼすことは衆知の事実であり,この影響について生演奏を聴いた前後の血圧・脈拍・皮膚表面温度・こころの変化によって明らかにすることを目的とした。対象は本学の公開講座「音楽による癒し」のサックスとピアノ演奏・歌唱を聴いた参加者。自動血圧計による演奏前後の血圧・脈拍を計測した24名,サーモグラフを用いて演奏経過による顔面皮膚表面温度を計測した5名,調査に回答した78名である。結果は,演奏を聴いた後が演奏前より血圧が低下は約70%,脈拍数の減少約90%であった。収縮期血圧の12.0mmHg低下と脈拍数8.7回/分減少とに有意差があった。演奏前収縮期血圧が高い者は血圧低下が大きい。皮膚表面温度の変化は,前半と後半の演奏とも皮膚表面温度が約2℃上昇していた。こころに及ぼす影響は,演奏前にこころの緊張状態にある者が約半数を占め,苛立ち>不眠>憂〓>苦痛>不安の順であった。演奏後に気持ちが変化したと答えた者が8割あり,その変化はリラックスできた,楽しかった,感動した・感銘を受けた,心が落ち着いた,気持ちがほぐれた,心豊かになった,肩こりが軽くなったなどであった。生演奏を聴くことで血圧・脈拍が低下し,体温が上昇し,こころの緊張が緩和されることが実証できた。
- 2004-03-27
著者
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古屋敷 明美
呉大学看護学部
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長吉 孝子
呉大学看護学部
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武井 功子
呉大学看護学部
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山下 典子
呉大学看護学部
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金子 道子
呉大学看護学部
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古屋敷 明美
呉大学 看護学部
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森川 晴美
広島文化短期大学音楽学科
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長吉 孝子
呉大学看護学部看護学科
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金子 道子
呉大学看護学部看護学科
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河野 寿美代
呉大学看護学部
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佐々木 秀美
呉大学看護学部
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平岡 正史
呉大学看護学部看護学科
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紀 成子
呉大学看護学部看護学科
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山崎 弘子
広島文化短期大学音楽学科
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古屋敷 明美
呉大学看護学部看護学科
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