高齢者の希望する終末期の迎え方
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概要
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高齢者の終末期を考えていく上では,その主体となる高齢者自身が,終末期に対し,どのような考えをもっているのか,実態を把握することが大変重要であり不可欠である.今回,M市老人クラブの,自宅で生活する高齢者を対象に,自由記述により終末期の迎え方に対する希望を調査した.284名,平均年齢74.6歳 (SD=5.41) より有効回答を得た.記述内容を意味の共通性に従いカテゴリー化し「(1)死に方の希望」「(2)死ぬ時の身体的,精神的状態の希望」「(3)死ぬ時の環境・状況の希望」「(4)死ぬまでの身体的状態の希望」「(5)死ぬまでの生活・生き方の希望」「(6)死後の希望」の6つのサブカテゴリーに分類できた.さらに,「1.死ぬ時に関する希望」「2.死ぬまでに関する希望」「3.死後に関する希望」の3つのカテゴリーに分類できた.希望の内容は,死ぬ時のことに限らず,現在から死後のことに及んでおり,高齢者の終末期のとらえ方は個人により異なることが明らかになった.また,終末期の希望に現在のことが含まれていたことから,死ぬ時だけでなく,死を迎える以前の生活や生き方もケアすることが重要であると示唆された.一方,希望は抱いていても,それを,他者に伝えている高齢者は少ないことが明らかとなり,高齢者の希望を尊重するためには,終末期に対する考えや希望を表出できるように援助する必要があると考えられた.
- 岩手県立大学の論文
著者
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