エレクトレットコンデンサマイクロホンの熱による劣化と耐熱性能向上の研究(電気音響,音響一般)
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概要
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携帯用機器に主に使用されている固定電極エレクトレット形マイクロホンの耐熱性能改善について述べる.はじめに,固定電極エレクトレット形マイクロホンの熱劣化の要因とその際の電荷の挙動について仮説を立て,内部の電界のモデルを組み立てる.熱刺激電流法(TSC法)によってモデルの妥当性の検討を行い,次に熱加速劣化試験(ICD法)の結果を照合して仮説と合わせて,マイクロホンの寿命を推定した.その結果,モデルとして電荷がより深い方向に移動し,表面電位の減少が起き,これは熱によって加速されること,劣化の大きさはエレクトレット形成膜の製作過程にも依存するが,おおむね常温においては十分に寿命として余裕をもっていることが分かった.そしてこの余裕を応用することで,エレクトレット表面での劣化要因を避けるために電荷を内部に移動あるいは深く注入することで,環境性能を向上する条件を示唆した.一例として12.5μm厚の汎用FEP膜の場合では,エレクトレット表面から深さ8μm付近まで深く注入することにより100℃1000時間の寿命が保証可能であることが推定できた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2006-03-01
著者
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安野 功修
パナソニック半導体デバイスソリューションズ株式会社
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安野 功修
パナソニックscデバイスソリューションズ株式会社
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安野 功修
パナソニックscデバイスソリューションズ(株)
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利光 平大
(株)利光社
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