口腔顎顔面領域の臨床分離菌に対する局所麻酔薬の抗菌活性と抗菌薬の併用効果に関する研究

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局麻薬の臨床分離株に対する抗菌力, ヒト抜歯創における局麻薬停滞性および抗菌薬との併用効果について検討し, 以下の結果を得た。1) Streptococcus sp., S. aureus およびP. aeruginosa に対する lidocaine と prilocaine のMICを測定したところ, それぞれ2500〜7500μg/ml以上で抗菌力が確認された。2) 抜歯創における lidocaine 濃度は, 注射後1〜45分で8.4〜2590μg/mlに分布し, 全症例 (182例) の平均値は426.3μg/mlであった。3) 下顎第三大臼歯の135例では, 80%が10〜15分で抜歯されており, 平均188.9〜283.2μg/mlの lidocaine 濃度が認められたが, MICから判断すると lidocaine 単独での抗菌力は臨床的に期待できない結果であった。4) CCL, ABPCおよびOFLXの抗菌力について, 250μg/mlの lidocaine を添加してMICを測定した結果, 一部の菌株では1〜2管程度のMICの低下がみられたが, なかでも Streptococcus sp. に感受性の改善した菌株が多かった。5) Streptococcus sp. に対するCCL, ABPCおよびOFLXの抗菌力について, lidocaine を25, 250, 500μg/mlに調整して添加したが, 感受性の変化はlidocaine 濃度に関係なくみられた。以上, 一部の菌株では低濃度の局麻薬存在下に抗菌薬の感受性が増強され, 術前から抗菌薬を投与した場合にはさらに感染予防効果が高くなる可能性が示唆された。
神戸大学の論文
1998-03-31

口腔顎顔面領域の臨床分離菌に対する局所麻酔薬の抗菌活性と抗菌薬の併用効果に関する研究

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