T1n0乳癌再発例の検討 : 乳房温存療法術後残存乳房再発に対する一考察
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概要
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1965年より1993年に当科で手術を施行した全乳癌症例中両側乳癌を除く女子乳癌手術例で病理型のはっきりしているものは466例であり,乳頭腺管癌は137例(29.4%),充実腺管癌は186例(39.9%),硬癌は115例(24.7%)であり,その他が28例(6.0%)であった。一方Tln0乳癌は98症例であり,乳頭腺管癌が30例(30.6%),充実腺管癌が36例(36.7%),硬痛が27例(27.6%),その他が5例(5.1%)と有意差はないものの硬癌,乳頭腺管癌の頻度が全乳癌に比し高い傾向が認められた。全再発乳癌症例103例の組織型別再発部位別頻度の検討では,硬癌再発例は22例に認められ,局所再発7例(32%)及び局所リンパ節再発が4例(18%)に見られ局所再発,局所リンパ節再発が多く見られる事が他の組織型に比べ有意に特徴的であった。組織型別再発率を見ると全再発症例では充実腺管癌が186例中52例(28%)の再発を見ており再発率が最も高かった。一方Tln0乳癌再発例では硬癌で27例中3例(11.1%)の再発を認めており,最も再発率が高く特徴的であった。再発部位別頻度ではTln0乳癌では局所再発が3例(33%)を占め最も多く特徴的と思われた。当科における乳房温存術症例31例のTnm分類による病期別割合では,Tln0症例が20例(64.5%)と最も多かった。また病理型別割合では硬癌が11例で最も多かった。これらのことより以下の結論が得られた。硬癌は局所再発を来しやすい傾向がある。Tln0乳癌は硬癌が多い傾向があり,硬癌の再発率も高いことより局所再発を来しやすい。乳房温存療法ではTln0症例が多く,硬癌も多いことより局所再発発生率が高いことが予想された。乳房温存療法の残存乳房再発を防止する為に簡便な断端陰性の病理診断を下すための工夫が必要と考えられた。
- 千葉大学の論文
- 1996-04-01
著者
-
落合 武徳
千葉大学大学院先端応用外科学
-
落合 武徳
千葉大学医学部
-
磯野 可一
千葉大学医学部第2外科
-
小出 義雄
千葉大学医学部第2外科
-
吉田 雅博
千葉県がんセンター
-
宮沢 幸正
千葉大学医学部第二外科
-
松崎 弘志
千葉大学医学部先端応用外科
-
朱 〓杰
千葉大学医学部第二外科
-
小出 義雄
鎗田病院
-
大渕 徹
千葉大学医学部第2外科
-
大渕 徹
千葉大学第2外科
-
吉田 雅博
千葉大学医学部
-
吉田 雅博
帝京大学医学部付属病院外科
-
朱 〓杰
千葉大学医学部外科学第二
-
磯野 可一
千葉大学医学部
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