ラット褐色脂肪組織に対する固形食と粉末食の影響

概要

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本研究は, 固形食と粉末食という食物形状の違いが, BATの熱産生に及ぼす影響を明らかにするために, 肩甲骨間BAT (IBAT) を用い, in vitro での酸素消費量等から検討した。実験には, 生後8週令のJ.c.1-SD系雄ラット36匹を用いた。ラットを平均体重がほぼ等しくなるように固形食群 (18匹) と粉末食群 (18匹) の2群に分けた。ラットはそれぞれ固形, 粉末の市販飼料 (CE-7) で, 1日2回の間欠給餌で飼育した。摂食時間は毎日08-10時, 20-22時とし自由に摂食させ, 3週間飼育した。測定項目は, 体重, 血清成分, IBATの重量及び酸素消費量とした。飼育期間中の各群の摂食量には差がみられなかった。最終体重は, 粉末食群が固形食群に比べて有意に低値を示した。IBAT総湿重量とグリコーゲン含量及び血清成分は, 両群間でいずれも有意な差が認められなかった。IBAT酸素消費量は, 総湿重量あたり, 100mg湿重量あたり, 10mgタンパクあたりの各表示で粉末食群に比べ固形食群は, 0分, 120分, 240分の各時点で, いずれも有意ではないが高値を示した。摂食に対する応答では, 両群ともに総湿重量あたり, 100mg湿重量あたりの各表示で0分時点に比べて120分時点で高値を示し, 摂食により酸素消費量が増加する傾向がみられた。特に10mgタンパクあたりの表示では, 固形食群は0分時点に比べて120分時点で有意に高値を示した。3時点の酸素消費量全てを平均した群全体の平均値は, 総湿重量あたりと10mgタンパクあたりの各表示で粉末食群に比べ固形食群が有意に高値を示した。以上のことより, 固形食と粉末食の摂取では, IBATの食後の内因性酸素消費量が固形食群で高く, DITが冗進し体重増加が抑制されることが明らかとなった。本稿を終わるにあたり, 動物の飼育及び実験に協力していただいた静岡大学卒業生の太田政子, 落合美加, 岩田良祐, 加藤義久, 田中和彦, 玉木言明, 山内浩嗣の各嬢各氏に深謝いたします。
中京大学の論文
1994-11-09

ラット褐色脂肪組織に対する固形食と粉末食の影響

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