「Meal-fed ラットにおける活動期初期の摂食に対する褐色脂肪組織の経時的応答」

概要

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本研究では, 1日2食の時間制限食で飼育した生後5週令の雄ラットを用いて, 活動期初期の1回の摂食に対する体熱産生応答にBATがいかなる関与をしているかについて検討した。主な結果は以下のとうりである。1) IBAT総湿重量は, 0時点に対し摂食開始後の全ての時点で有意な差が認められなかった。摂食開始前180時点と0時点の比較ではIBAT総湿重量と体重100gあたりの湿重量ともに0時点が有意に軽かった。摂食群と欠食群で240分時点で欠食群が重かった。2) 1gあたりのIBATグリコーゲン含量は0時点に比べ摂食開始後90, 180分時点で有意に高値を示した。総グリコーゲン含量は0時点に比べ摂食開始後60, 90, 120, 180分時点で有意に高値を示した。摂食群と欠食群を比べると180, 240両時点で摂食群が有意に高値を示した。IBATの蛋白質濃度は摂食に伴う経時的変化はみられなかった。3) IBAT酸素消費量は10mgタンパク質あたり, 100mg湿重量あたりおよび総湿重量あたりの全ての表示で0時点に比べ摂食開始後の全時点で有意な差は認められなかった。摂食開始前180分と0時点を比べると, 0時点が180時点に比べ全ての表示で有意に高値を示した。摂食群と欠食群の比較では欠食群が高値を示す傾向にあった。4) 10mgタンパクあたりのIBAT酸素消費量と他の項目との相関についてみると, 体重とグリコーゲン含量に対しては有意な弱い正の相関がみられ, 組織重量とタンパク質含量に対しては有意な弱い負の相関がみられた。以上, 1日2食の Meal-feeding で飼育したラットの摂食に対するIBATの応答がこれまでの報告と一部異なることから, 摂食様式の違いによるDITに対するBATの関与も異なることが示唆された。また, IBATの酸素消費量が摂食開始前に比べ開始時にすでに高まっていたことから, Meal-feeding によりIBATは摂食に対して予知的に応答することが示唆された。
中京大学の論文
1992-10-20

「Meal-fed ラットにおける活動期初期の摂食に対する褐色脂肪組織の経時的応答」

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