園芸学部構内と千葉県北西部におけるチョウ類群集と種構成に基づく自然環境評価の試み
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.園芸学部構内を含む千葉県北西部各所においてチョウ類群集の定性調査ならびに既存の記録との比較を行った.その結果,園芸学部構内からは森林性種,年間発生回数が少ない種,狭食性の種の多くが消失していることが明らかとなり,その要因は園芸学部における人為的撹乱によるものと推察された.2.チョウ類の共通度は各調査地間の距離が近いほど,過去の記録を含めたときほど高くなった.これは都市域から過去に衰退した種類も都市からの距離が離れるにつれて出現するために生じた結果であり,近年多くのチョウ類が都市部から序々に消失したことが示された.3.都市部から消失するチョウ類の多くは森林性で年間発生回数が少なく狭食性であった.4.千葉県レッドデータ種の多くは年間発生回数が少なく,狭食性であり,園芸学部からは確認されなかった.これらのレッドデータ種の多くは局所的・希薄的,もしくは都市からの減少傾向が認められ,都市から離れるにつれて多く出現する傾向が認められた.5.レッドデータ種以外にも都市下では減少傾向を示す種がみられ,これらの中には多化性や広食性を示す種も多く認められた.
- 千葉大学の論文
- 2005-03-31
著者
-
野村 昌史
千葉大学園芸学部
-
佐藤 隆士
フィールドミュージアム委員会・昆虫班
-
野村 昌史
フィールドミュージアム委員会・昆虫班
-
野村 昌史
千葉大園芸応動昆
-
佐藤 隆士
フィールドミュージアム委員会・昆虫班:自然科学研究科 応用動物昆虫学研究室
関連論文
- A311 モンキチョウにおいて強い細胞質不和合を引き起こすボルバキア感染
- 農作物生産の最新技術 イラクサギンウワバ--最近の発生状況と幼虫の低温耐性
- D303 イラクサギンウワバTrichoplusia niの各地発生状況と低温耐性(一般講演)
- A310 キチョウにおけるメス化以外の機構によるボルバキア起因の性比異常現象
- H218 重複感染・単感染のキチョウにおける各Wolbachiaの局在・密度とその相互作用
- キンウワバ類(鱗題目・ヤガ科)4種の飛翔,摂食およびコーリング活動時間帯の比較
- I305 クサカゲロウ科昆虫の分子系統解析
- S061 分子情報を用いたクサカゲロウ科Chrysopini族の系統解析(小集会)
- H217 抗生物質処理による間性個体の出現から見えてきたWolbachiaによるメス化の時期
- 柏市こんぶくろ池のズミ(Malus sieboldii Rehd.)個体群の生態的再生に向けた遺伝的構造と形態変異の分析(第39回大会)
- 琉球列島に固有なオキナワヤマタカマイマイ類の地理的分布と生息環境
- 第21回国際昆虫学会に出席して(国際交流基金による海外派遣報告)
- B215 危急種ウラジロヤマタカマイマイとウラキヤマタカマイマイの生息状況と遺伝的多様性(生活史 分布)
- H207 広食性天敵昆虫オオメカメムシに対する各種農薬の影響評価(一般講演)
- A315 カスリショウジョウバエの内部共生細菌スピロプラズマの垂直伝播や体内密度に対する温度の影響
- A217 レタスに発生するキンウワバ類の種構成と分子同定法の開発
- A312 耐虫性品種の評価を目的とするケール各品種におけるチョウ目害虫発生比較
- C116 核DNAを用いたキンウワバ亜科Argyrogrammatini族の分子系統解析(一般講演)
- 共生微生物ボルバキアの感染と分子系統解析--明らかになったキチョウ2種のダイナミックな進化プロセス (キチョウの生物学--種分化をめぐって)
- オオメカメムシとヒメオオメカメムシの採餌場所選択ならびに採餌活動におよぼす植物の影響
- 園芸学部構内と千葉県北西部におけるチョウ類群集と種構成に基づく自然環境評価の試み
- H216 夜間照明がハスモンヨトウの行動に及ぼす影響の定量的評価(一般講演)
- E311 広食性捕食天敵オオメカメムシに対する短日の影響と描食選好性について(一般講演)
- E310 千葉産オオメカメムシと沖縄本島産別種の生態特性の比較及び生殖和合性の検討(一般講演)
- E208 多胚性寄生蜂キンウワバトビコバチの寄主適合性(一般講演)
- 園芸学部の鳥類相とその季節推移
- ヤマトクサカゲロウの幼虫発育に及ぼす温度および光周期の影響
- 房総低山地におけるミツバツツジとキヨスミミツバツツジ間の交雑実態(第35回大会)
- 千葉大学園芸学部の昆虫相調査中間報告 : 2002年度までの記録を中心に
- ミツバツツジ節の交配親和性と民家の庭における交雑実態