音楽療法のリラクセーション効果に関する研究

概要

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本研究の目的は、音楽療法の生体へのリラクセーション効果について生理的・心理的側面から検討し、看護ケアヘの活用を考える一助とすることである。健康な女子学生5名を対象とし、無条件環境(安静臥床10分間)、ストレス環境(VTR視聴15分間)、リラックス環境(音楽聴取15分間)における各被験者の反応を比較した。その結果、生理的反応の指標である呼吸数と、心理的反応の指標であるPOMSの「緊張-不安」尺度の得点では、いずれもストレス環境とリラックス環境間で有意差がみられ(p<0.05)、リラックス環境の方が低かった。その他の生理的・心理的反応の指標では有意差は認められなかったが、ストレス環境よりもリラックス環境の方がすべての指標において低い値を示す傾向がみられた。以上より、音楽療法はリラクセーション効果が期待できると考える。しかし、発汗量に着目すると、環境の影響を受けやすい者と受けにくい者がいることが推察され、音楽療法には対象の行動傾向を考慮して実施する必要性が示唆された。
県立長崎シーボルト大学の論文