古代韓国青銅竿頭鈴の鋳造技法に関する調査報告と考察
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概要
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古代韓国の青銅鋳造技術を研究するため、青銅八珠鈴につづき、慶州博物館が所蔵する伝慶州竹束里出土の青銅竿頭鈴を調査した。八珠鈴も竿頭鈴も共に同形の一対製品である。八珠鈴は一対製品でありながら単独1個だけの調査であったため、一対製品鋳造技法の充分な調査ができなかった。竿頭鈴は一対2個を比較調査し、古代韓国における同形一対青銅製品の鋳造技法の解明を試みた。2個の竿頭鈴の共通点、相違点から以下のような製作方法が推測できた。1.この2個の竿頭鈴は、文様が同形であることから、原型(母型)から外箔を写し取り鋳造した兄弟関系にある。2.この2個の竿頭鈴は、縦方向の分割線と横方向の分割線で、合計4個の外箔に分割した可能性が高い。3.中子は、外箔(外鋳型)に土を詰めて青銅の丸を仕込んだ上部と下部に分離し、その後、肉厚分を削って作った。4.三角形の4つの透かしは中子を削り残して作った。5.この2個の竿頭鈴の鈕孔は、それぞれ何らかの回転工具を用いて開けた。
- 富山大学の論文
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