養護教諭養成課程における看護能力の育成 : 保健室における感染予防の問題点と今後の課題(自然科学編)
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概要
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養護教諭の職務として、学校教育法に『養護教諭は、児童生徒の養護をつかさどる』とあるが、その内容・機能は社会的環境の変化に伴う児童生徒のヘルスニーズによって変化してきており、近年新たな役割としてヘルスカウンセリングが重要視されつつある。しかし、子どもたちの健康問題に質的な変化があったとはいえ、学校現場において変わらずに多いけがや病気などの救急処置は、養護教諭の職務の基本である。そこで今回学校保健における看護活動に焦点を当て、なかでも日常で最も頻繁に起きる児童・生徒の「けがの処置」に着目してみた。けがの処置で最も留意しなければならないのは感染予防だが、実際の学校現場で看護の専門的知識と技術を生かした対応ができているか実態調査を行った。感染予防は看護教育において看護の基礎的知識、技術としてとらえられ、近年医療の現場では感染予防の重要性が再認識され感染管理に対する研究や対策が急速に進んでいる。しかし学校保健において展開される看護活動には、このような医療現場での動向は反映されにくいのではないかと危倶する。実態調査の結果、(1)全般に感染予防に関する意識が非常に希薄であること。(2)けがの処置において感染予防の原則に基づいた技術の提供が困難であること。(3)養護教諭の感染予防にたいする意識格差が極端に違うこと。(4)養護教諭養成課程での基礎教育において習得すべき看護技術の内容が非常に曖昧であることが明白となった。このことより今後の感染予防の視点から、養護教諭に必要な基礎看護技術をとらえた内容の編成がいかに重要であるかが認識できたのである。
著者
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