長岡雪氷防災実験研究所における雪氷コア研究への取組み
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概要
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長岡雪氷防災実験研究所では, 極域から採取した雪氷コア試料を解析することで, 将来の気候変動予測と水災害防止に向けて, 環境の変遷を復元するという研究が行われている. 極域の雪氷コアは, 全球的な気候に関する多様な情報を乱されることなく記録しているユニークな媒体である. 雪氷コアの解析から, 極域ではかつて数10年で10℃以上という急激かつ突然な気温の変化があったことが見つかっている. このような雪氷コアから得られる情報の種類, 分析・解析方法, 雪氷コア研究分野の現状についてまとめた. また, 当研究所における雪氷コア研究に対する姿勢を示した. その要点は, 多地点の分析を行う以前に, 得られるデータの質を上げることである. 当研究所及び協力関係にある研究機関が最近開発した分析手法を用いることで, より少ない試料で高精度なデータを得ることが可能になる. これにより, 解析の時間解像度は従来の10年単位の変動から, 年変動, さらには季節変動レベルに改善される. 我々の進んだ技術により質が向上したデータを用いれば, 詳細な気候変動とその原因物質の変動, 予兆現象を知ることが可能となり, 将来予測や災害防止に資するであろう.
- 独立行政法人防災科学技術研究所の論文
- 1999-08-20
著者
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東浦 將夫
長岡
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東浦 將夫
防災科学技術研究所 新庄雪氷防災研究支所 雪氷防災第2研究室
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山田 隆二
防災科学技術研究所
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山田 隆二
防災科学技術研
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山田 隆二
防災科学技術研究所長岡雪氷防災実験研究所
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神田 尚子
防災科学技術研究所長岡雪氷防災研究所
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小島 隆志
防災科学技術研究所長岡雪氷防災実験研究所
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陶 冠紅
防災科学技術研究所長岡雪氷防災実験研究所
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Tao Guanhong
防災科学技術研究所 長岡雪氷防災実験研究所
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