コーポレート・ガバナンスにおける監査委員会の機能と課題 (経済学部50周年記念号)
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概要
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コーポレート・ガバナンスの要として、監査委員会に注目が集まっている。わが国でも、委員会等設置会社において監査委員会が設置されることになった。監査委員会は、従来の監査役会の監査とは異なり、自ら監査を行うというより監査の実施を監督したり、環境を整備したりすることが役割であるとされている。このため、構成員について、一般的な見識や、独立性という意味での社外性がクローズアップされている。しかし、アメリカにおけるエンロン事件で明らかになったように、外見的な独立性を確保するだけでは、監査委員会が本来の機能を果たすのは困難である。したがって、たとえ直接監査を実施しないとしても、監査委員会が内部監査や公認会計士監査を有効に監督するためには、少なくともそれらに関する相当程度の理解が必要である。この意味で、監査委員会の構成員については、社外性だけにとらわれることなく、実質的な独立性を担保するための専門的能力を確保しなければならない。今後、監査委員会構成員の候補者として、監査に関する専門的な知識をもった人材の養成を急ぐ必要がある。
- 北海道大学の論文
- 2003-12-16
著者
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