フランスにおける内部統制報告制度の運用と事例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
フランスでは,2003年1月1日に始まる会計年度から内部統制報告制度が実施されている。それには,内部統制の整備に向けた取組や内部統制の具体的な中身についての説明が指向されている点や会社が設定しているすべての内部統制に関する説明が求められている点に特徴がある。財務報告に係る内部統制の有効性評価とその結果の報告だけを求めるわが国やアメリカの制度と比較すると,フランスの制度の特徴がより際立つであろう。こうした違いは,わが国やアメリカが内部統制報告制度を証券市場規制の一環として位置づけているのに対して,フランスでは,証券市場を意識しながらも,会社法におけるコーポレート・ガバナンスの強化策として位置づけていることに起因する。本稿では,金融市場機構(AMF)が公表しているコーポレート・ガバナンスと内部統制に関する年次報告書に基づいて,フランスの主要企業における内部統制報告書の記載事項を概観するとともに,実際に公表されている内部統制報告書を取り上げて,そこに記載されている内容について具体的に検討している。
- 2011-12-08
著者
関連論文
- 財務諸表監査と内部統制監査
- 監査に対する信頼の回復
- 監査の手法と目的の関係に関する一考察
- 内部統制報告制度の実態と課題
- インサイダー取引の未然防止と内部統制 (インサイダー取引規制)
- 内部統制監査の意義と課題
- 不正経理と内部監査 (特集 業務改善に活かす内部監査--内部統制・情報技術・不正防止への対応)
- 講演録 北海道大学会計専門職大学院・(社)日本内部監査協会/第2回共同開催セミナー 経済の金融化と監査の将来像
- 2007年IIA国際大会報告 (内部監査人協会(IIA)国際大会報告(オランダ・アムステルダム))
- フランスにおける内部統制報告の現状と内部統制フレームワークの設定
- 会計判断の変質と監査意見の意義 (特集・内部統制の制度化をめぐって)
- Accounting & Legal Mind 財務報告に係る内部統制と内部監査の役割〔含 コメント〕
- 四半期情報の開示とレビュー
- 巻頭論文 財務報告に係る内部統制の評価及び監査における内部監査の役割
- 内部統制議論の変遷と課題 (特集 日本企業の内部統制が変わる)
- 内部統制評価で有効性を高めるリスクアプローチ (特集 ERM:Enterprise Risk Management)
- 巻頭論文 コーポレート・ガバナンスとゴーイング・コンサーン問題
- コーポレート・ガバナンスにおける監査委員会の機能と課題 (経済学部50周年記念号)
- フランスにおける内部統制とリスク・マネジメントのフレームワーク
- フランスにおける内部統制報告制度の運用と事例
- 解題深書 監査の品質と懐疑主義
- 財務諸表監査における不正対応 (特集 企業会計を考える : 基準設定のあり方と会計研究の役割)