自己フォーカスが携帯電話使用時の社会的迷惑認知に及ぼす効果

概要

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本研究の目的は、迷惑の観察者に自己フォーカス、つまり自己を意識させることによって、携帯電話使用時における社会的迷惑認知に与える効果を検討するものである。実験では、大学生91名が3条件に割り当てられた。3条件は、以下の通りである。1)第1セッションにおいて被験者は自己フォーカスなし状況下で、迷惑認知のVTRを見て、第2セッションにおいて被験者は自己フォーカス状況下でVTRを見る。2)2回のセッションとも自己フォーカス条件である。3)1回のセッションのみで、自己フォーカスなし条件(統制条件)である。自己フォーカスの有無は、被験者がビデオカメラで撮影されることによって操作された。迷惑行為のビデオを見た後、迷惑認知を測定した。その結果、自己フォーカスの有無は社会的迷惑認知の程度に影響を与えなかった。また、自己意識の高低についても、迷惑認知に有意な差はみられなかった。しかし、自己フォーカス状況下で迷惑行為を観察するセッションを繰り返すと迷惑認知が高くなる傾向があった。
2004-03-31