介護概論における介護過程の概念に関する諸説の検討
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概要
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介護保険の導入とカリキュラム改正に合わせて改訂された介護概論のテキストを用い、その内容について比較検討を行った。比較した内容は介護過程の意義、定義、展開過程の説明の仕方、介護保険におけるケアプランとの相違、事例の取り上げ方等である。多くのテキストで共通していたことは思考過程としての介護過程であった。しかし、介護福祉における介護過程の位置づけや介護保険制度におけるケアマネジメントとの関係性、事例の取り上げ方など、それぞれのテキストにおいてばらつきがみられた。介護保険制度におけるケアマネジメントの考え方に強く影響されたものや社会福祉援助技術の個別援助過程の考え方に影響された書き方をしているものもあった。介護過程の展開例を示しているものも多かったが、ケアマネジメントを意識したものは、介護福祉を訪問介護(ホームヘルパー)に限定していた。介護過程についての統一した見解が見られない根本的な原因として考えられたことは、介護福祉の専門性の不明瞭さにあると考えられた。介護福祉の根幹ともいえる介護過程について、介護福祉士自らがその専門性に基づいた思考を展開することが望まれた。
- 聖隷クリストファー大学の論文
- 2005-03-31
著者
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