北海道幌尻岳の前気門ダニ類
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概要
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1971年の夏, 国立科学博物館による日本列島自然総合調査の一環として北海道日高地方の生物調査がなされた。この調査で採集された前気門ダニ類は, 3新種と日本未記録種1種を含めて7科9属10種, 60個体とジョンストンダニ科 (Johnstonianidae) に属する不明種1個体(幼虫), 計61個体であった。ヨロイダニ科 (Nicoletiellidae) の2種は北海道だけに棲息していると思われるもので, それぞれ新種としてNicoletiella (Cornutella) ezoensis(エゾヨロイダニ), Atyeonella simplex(ウスゲヨロイダニ)と命名された。アリマキタカラダニ属(Erythraeus)の1種は, 日本の平地に普通に棲息している同属のものとは形態的に異なり, 本州においては2,500m以上の山岳地のガラ場やお花畑に見られ, Erythraeus aokii(アオキアリマキタカラダニ)として記載された。日本未記録種はLassenia spinifera NEWELL(ラッセンケダニ)で, このダニはアメリカのOregon州から記録されているものであった。
- 国立科学博物館の論文
- 1972-11-30
著者
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