基礎看護学および老年看護学担当教師の授業内容に対する関心
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概要
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基礎看護学あるいは老年看護学を専門領域とする専任教師の関心の高い授業内容とその理由を知ることを目的として自作質問紙調査を行った。その結果、基礎看護学担当教師(回答147名)が関心が高いと答えた授業内容は、「看護過程」「観察技術」「薬剤についての知識と取扱い」だった。老年看護学担当教師(回答114名)では、「老人性痴呆・精神障害をもつ高齢者の看護」「高齢者とクオリティオブライフ」「老年期における倫理的課題」であった。両看護学共に、授業内容ごとの関心の高い理由は、共通性が低く、多様であった。関心の高い理由を、その意味内容から類似したものを集めたところ、基礎看護学では221個の理由が31項目5カテゴリに、老年看護学では86個の理由が21項目5カテゴリに整理できた。基礎看護学担当教師では、教授内容・教授方法に関するものが非常に多くを占め、学習者の状況を常に捉えつつ、それに見合う教育をしていこうという意思のあらわれと読みとれた。看護者としての教師、看護の対象としての患者の視点は少なかった。老年看護学担当教師では、教授方法に関わる関心が少なく、教授内容そのものへの関心が高かった。とくに教師が様々な臨床状況から得たであろう体験に密着し感じたことから発している様相が強く、その内容を初学者である学生にどのように教授すれば効果的かといった方法に関する関心が少なかった。
- 東海大学医療技術短期大学の論文
- 2004-07-30
著者
-
服部 紀子
横浜市立大学医学部看護学科
-
蔵谷 範子
東海大学医療技術短期大学総合看護研究施設
-
服部 紀子
横浜市立大学看護短期大学部
-
服部 紀子
横浜市立大学医学部付属高等看護学校
-
蔵谷 範子
東海大学医療技術短期大学
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