老人イメージの変化 : 高齢者擬似体験前後の比較から
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概要
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本研究の目的は、高齢者理解の一貫として実施している高齢者擬似体験前後の学生の老人イメージの変化を明らかにし、その授業方法の有効性を検討することである。老年看護学で実施する「高齢者擬似体験演習」を受講した1999年度A看護短期大学3年課程2年次生86名を対象にイメージマップ・テスト法を用いて、学生がもつ老人イメージと高齢者擬似体験後のイメージの変化を分析した。結果として、体験前に学生がもつ老人のイメージは25カテゴリに整理された。それらは【老化】【体の衰え】【身体機能低下】【各器官・部位】【形態・機能の変化】【老化に伴って起こりやすい状態】【人】【老年期】【健康】【暮らしづらい】【適応】【暮らしと周りの人々】【生活の場とその変化】【様々な喪失体験】【余暇活動】【時間のゆとりがある】【役割】【自助・支援】【感情・気持ち】【豊富な経験がある】【物知り】【自己確立・安定】【尊敬】【いずれみんながなる】【存在イメージ】であった。体験後では上記のカテゴリに加え、【個別性】【今の自分】が形成され【いずれみんながなる】がなくなり26カテゴリとなった。高齢者擬似体験を通して、「老人」をイメージする知識・概念が拡がり、「老人」のイメージをかたちづくる視点に変化がみられた。
- 東海大学医療技術短期大学の論文
- 2002-09-30
著者
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