健康習慣と歯科保健状況との関連についての研究

概要

論文の詳細を見る
ある製造業の,主に作業職男性従業員2,304名(40歳以上60歳未満)を対象に歯科健康診断と,自記式質問紙調査を行い,健康習慣といくつかの歯科健康指標との関係を調べたところ,次のような結果を得た。1. ブレスローの7つの生活習慣を実行している数(健康習慣点数)と歯科健康習慣との間に明らかな関係を認め,一般的な健康習慣の良否が歯科健康習慣に影響を与えていることが示唆された。2. 健康習慣点数が増加すると未処置歯と要処置喪失歯との合計歯数が減少する傾向が認められ,健康習慣の良否と要処置状況との間に有意な関係が認められた。3. 40〜44歳群で健康習慣点数の増加と喪失歯数の減少との間に有意な関係を認めたが,45歳以上では明らかな関係が認められなかった。4. 40歳以上60歳未満のどの年齢階級でも健康習慣点数とCPITNコード分布との間に有意な関係が認められ,日常の健康習慣が貴男組織の健康に強く影響していることが推察された。歯科健康習慣とCPITNコード分布との間でも同様の結果が得られた。5. 各年齢階級で健康習慣点数の増加にともない1日当りの歯みかき回数が増加する傾向が認められた。同時に含みがき時間の延長傾向がみられた。以上の結果から,職場の歯科健康管理においては,歯科健康教育と合わせて,健康に関する良好な習慣の形成促進が必要であると考えられた。
有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
1995-01-30

健康習慣と歯科保健状況との関連についての研究

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク