左房粘液腫摘出術後に腫瘍性脳動脈瘤と脳出血をきたした1例
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概要
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左房粘液腫摘出後に腫瘍性脳動脈瘤と脳出血をきたした1例を経験した.症例は67歳の女性で, 左房粘液腫の摘出術後, 外来で心エコーなどで経過を診ていたが, 約1年半後に神経症状が出現した.多発性脳動脈瘤と脳内血腫を認めたため, 脳内血腫摘出術を施行したが, その後も神経症状の再発をくり返し, 最終的には肺炎を併発し死亡した.摘出した脳内血腫の病理組織および剖検時の脳動脈瘤には粘液腫細胞による血管腔内塞栓像と血管壁内浸潤像を認め, 一部に脳出血を伴っていた.心臓粘液腫が脳病変をきたすことがあることは知られているが, 本例のように腫瘍塞栓に起因すると考えられる症例が存在することから, 術前の腫瘍形態評価や術中塞栓に対する注意が必要であり, また, 術後にはCTなどによる厳密な全身の経過観察が重要であると考えた.
- 特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会の論文
- 2005-09-15
著者
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