脳血管障害急性期の呼吸障害に対する肺理学療法 (脳血管障害 : ADL障害における理学療法)
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概要
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脳血管障害患者のADL能力を最大に高めるためには, 二次的合併症・廃用症候群を可能な限り防ぎ, 中枢性運動障害を少しでも改善しなければならない。そのためにより早期から理学療法を開始するのが大原則であることは論を待たない。しかし脳血管障害急性期の肺合併症が運動療法の開始を遅らせる大きな原因となっている。一方発症後最も早期に理学療法士が貢献出来るのも肺合併症治療への参加である。急性期の肺合併症を少しでも早く乗切り, 運動障害の治療を開始するためにはどう対応すべきか検討する。先ず症例を提示し, 理学療法を行う上での考慮事項を考える。症例:86歳, 男性, 下垂体腫瘍。術後腫瘍摘出部からくも膜下出血が発生し, 左片麻痺を合併する。手術部からの髄液漏がありスパイナルドレナージが行われ1週間安静臥床。ドレーン抜去後意識障害進展。両側下葉の肺炎の悪化・左肺胸水貯留のため気管挿管し人工呼吸管理。水頭症・頭蓋内圧冗進のため持続脳室ドレナージが施行されるという状況で発症3週間後に肺理学療法を開始。理学療法開始時点の意識障害は Glasgow Coma Scaleで開眼1 (痛み刺激でも開眼しない)・言語T (チューブの略:挿管されているため)・運動4 (逃避屈曲反応)。このような重度意識障害・頭蓋内圧冗進・人工呼吸管理という状況下でどう理学療法を行えばよいであろうか。先ず人工呼吸との関係を考える。
- 1991-05-10
著者
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