犬唾液中sIgA濃度の盲導犬適性判定への応用(動物行動学)
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概要
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盲導犬候補犬の唾液中sIgA濃度が実際の盲導犬育成過程において盲導犬適性判定の指標になるかを検討した.盲導犬候補犬(約1歳)73頭より, 適性検査第1(パピーウォーカーとの分離日), 2, 3, 7, 14日に唾液を採取し, sIgA濃度を測定した.すべての優良犬のsIgA濃度は適性検査期間中漸増したのに対し, 問題犬のsIgAは低値を維持した.また最終的に盲導犬となった合格犬のsIgA濃度は, 盲導犬とならなかった不合格犬のsIgA濃度に比べて, 適性検査第14日に有意な高値を示した.適性検査第14日のsIgA濃度90EU/mlを分岐点とする(sIgA検査)と, この盲導犬合否判定性能は訓練士による適性検査よりも高い特異度(70.4%)と正確度(78.3%)が得られた.さらに特異度を優先したsIgA検査と訓練士の適性検査の並行判定では特異度を79.5%および検査全体の正確度84.1%が得られ, 判定性能が向上した.唾液中sIgA濃度は, 盲導犬育成過程の適性検査期間において, 盲導犬合否判定の客観的指標として有用であることが明らかとなった.
- 2005-07-25
著者
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田口 清
酪農学園大学獣医学部
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諏訪 義典
(財)北海道盲導犬協会
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諏訪 義典
北海道盲導犬協会
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内田 佳子
酪農学園大学大学院獣医学研究科
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内田 佳子
酪農学園大学 獣医学部 獣医外科学 第二教室
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Kobayashi T
Laboratory Of Veterinary Physiology Faculty Of Agriculture Tokyo University Of Agriculture And Techn
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吉川 綾
酪農学園大学大学院獣医学研究科
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田口 清
酪農学園大 獣医
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田口 清
酪農学園大学獣医学科獣医外科学第二教室
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