α-Chloro (or bromo) acetamide系除草剤に関する研究 : 作用特性について

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水稲幼植物にα-chloro (or bromo) acetamide系の4種の除草剤を土壌処理,茎葉処理および全面処理の3方法で処理し,これら化合物の浸透・吸収・移行様式および生長に及ぼす影響を形態的・形態形成的観点から調べた。2) α-Chloro (or bromo) acetamide系の化合物が植物体内に吸収された時の移動様式について検討するため,ナス苗にラノリンペーストを塗布して影響の現われる部位を調べた。3) 1)および2)の実験の結果α-chloro(or bromo)acetamide系の除草剤の作用特性について次のごとき知見が得られた。a)成熟した器官にはまったく作用せず、未熟な器官特に急速に発達しつつある器官にまず作用し,処理量の増加に伴ってより若い器官へと影響が進行する。b)イネでは処理後新しい葉の抽出が抑制され,外観的には低処理量から高処理量幅広く生長の停止状態が長期連続するので,主稈のみについては影響の強さの比較がしにくいが,分けつの発達は処理量の増加に比例して抑制されるため,物質間の比較の指標となった。c)イネの第2葉期に処理して第3葉の伸長の程度を観察すると,葉身の伸長より葉鞘の伸長が著しく抑制される。このことからα-chloro (or bromo) acetamide系の物質は,細胞の伸長より分裂に対して強く作用すると考えられる。また第2葉については,主として細胞の伸長によって若干葉鞘が伸長するが,供試物質はいずれもかなり高処理量でのみ20〜30%この葉鞘の伸長を抑制することから,細胞の伸長抑制作用も有することが判明した。d)植物体内へは地上部からも地下部からも吸収されるが,basepetally(向基的)には移行せず,acropetally・(向頂的)にのみ移行する。e)Shoot apexは非常に高処理量でも壊滅的な影響は受けず,形態的な著しい異常は認められないが,leaf primordiaの分化は処理量の増加に伴って強く抑制される。
日本雑草学会の論文
1965-12-25

α-Chloro (or bromo) acetamide系除草剤に関する研究 : 作用特性について

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