新除草剤オキサジアゾン(G-315)に関する研究 : 第3報 選択殺草性に関する二,三の考察
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概要
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オキサジアゾンの選択殺章性,特に発芽時のイネとタイヌビエ間の選択性について基礎的実験を行ない,次のような結果を得た。1)発芽テストでは,オキサジアゾンはタイヌビエに対しイネの約10倍の活性を示したが,同じタイヌビエにおいても小さい種子のものは大きな種子のものより明らかに感受性が大きかった。2)14種のイネ科植物に対する発芽試験では,極端に種子の大きなトウモロコシ,コムギ,イネおよびソルガムの4種は,それよりはるかに小さい種子の他の10種に比較して顕著な抵抗性を示した。3)胚乳を完全に消費した生育期のイネとタイヌビエを,オキサジアゾンを混和処理した土壌に移植すると,同じような葉の伸長抑制,褐斑の発現傾向が見られ,選択性は認められなかった。4)暗条件でオキサジアゾンを吸収,発芽させたイネとタイヌビエに,時期と時間をかえて露光すると,その時期によってオキサジアゾンの活性は著しく異なった。イネではタイヌビエよりやや遅い時期の方が有効であった。5)これらの結果から,オキサジアゾンの発芽時の殺草性には,オキサジアゾンを吸収した植物が光にさらされる時期および胚乳の存在が大きく関与していることが示された。6)さらに,光要求性除草剤の感受性部位が緑化前の幼若葉であると想定し,植物の組織形態的な差異によるこの部位への光の透過性のちがいの選択殺草性におよぼす影響について考察した。
- 1975-10-25
著者
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