新除草剤オキサジアゾン(G-315)に関する研究 : 第4報 各種水田土壌の性質と水田条件下におけるオキサジゾンの作用性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
全国29カ所の農業試験場の水田土壌の性質と水岡条件下におけるオキサジアゾンの作用性を検討し,以下の結果を得た。1)オキサジアゾンのタイヌビエ殺草性と有意な相関の認められたのは,水中濃度(処理後48時間後のオキサジアゾンの平衡濃度で吸着性の目安とした),pH,塩基置換容量(C.E.C.)であり,移植水稲に対する薬害(褐斑長)と有意な相関の認められたのは水中濃度,粘土含量,容積重であった。2)オキサジアゾンの殺草性は薬害と正の相関があり,殺草性の強く現われる土壌ではイネに対する影響も大きい傾向があった。3)オキサジアゾンの水中濃度は粘土含量,C.E.C.,容積重と有意な相関が認められたが,有機物とは有意な相関が認められなかった。4)しかし,黒色火山灰土壌を除いた26土壌について相関々係をみると,有機物は殺草性,薬害および水中濃度と極めて高い相関が認められ,有機物がオキサジアゾンの吸着に重要な役割を果していることが示された。5)稲わら堆肥,ピートモス,セルロース,バーク堆肥のオキサジアゾン吸着性はベントナイト,ジークライト,鹿沼土などの粘土よりはるかに大であった。4種有機物の吸着性は,ピートモス>バーク堆肥>稲わら堆肥≫セルロースであり,セノレロースの吸着性は非常に小さかった。粘土によるオキサジアゾン吸着性は,鹿沼土>ベントナイト>ジークライトであったが,これらの間に大きな差異はなかった。これらの結果は,有機物によるオキサジアゾンの吸着が大きいにもかかわらず,29種類の現地土壌間では水中濃度と有機物含量との間に有意な相関が認められなかった主因が有機物の質的な相違にあることを示唆している。6)有機物や粘土含量と相関が高く,簡単に測定できる容積重がオキサジアゾンの土壌による除草効果や薬害の変動を知るひとつの方法として利用できる可能性が示された。
- 日本雑草学会の論文
- 1975-10-25
著者
関連論文
- 19.Brassinolideの植物生理作用(第4報) (第21回大会研究発表抄録)
- 19 Brassinolideの植物生理活性(第4報)
- 31.エチクロゼートの作用性(第7報) 数種補助剤添加がウンシュウミカン葉への吸収,摘果効果に及ぼす影響 (第21回大会研究発表抄録)
- 31 エチクロゼートの作用性(第7報)数種補助剤添加がウンシュウミカン葉への吸収,摘果効果に及ぼす影響
- ウンシュウミカン用摘果剤エチクロゼ-トに対するエテホン加用が摘果効果及び落葉に及ぼす影響
- 74 ブラシノライドの植物生長調節作用 : 第6報 水稲の食味に及ぼす影響
- 65 ブラシノライドの植物生長調節作用 : 第5報 イネの登熟期における同化産物の転流に及ぼす影響(2)
- 20.ブラシノライドの植物生理活性 第5報 イネの登熟促進作用について (第24回大会研究発表抄録)
- 20 ブラシノライドの植物生理活性 : 第5報 イネの登熟促進作用について
- 108 ブラシノライドの植物生長調節作用 : 第3報 イネの登熟期における同化産物の転流に及ぼす影響
- 44 ブラシノライドの植物生長調節作用 : 第4報 イネの乳熟期における内生ホルモン含量の変化
- 37.ブラシノライドの植物生理活性 第6報 イネの登熟期の転流促進と内生ホルモンレベルの変動 (第25回大会研究発表抄録)
- 37 ブラシノライドの植物生理活性 : 第6報 イネの登熟期の転流促進と内生ホルモンレベルの変動
- 新規芝生用除草剤ハロスルフロンメチル(NC-319) に関する研究
- 18 新規芝生用除草剤ハロスルフロンメチル(NC-319)に関する研究
- 71 加工用スイートコーンに対するエテホンの倒伏軽減効果
- ブラシノライドの植物生育調節作用 : 第1報 イネの低温下における登熟に及ぼすブラシノライドの影響
- 85 ブラシノライドの植物生長調節作用 : 第2報 イネの登熟促進作用について
- 6-18 ダイズの子実生産に対するブラシノライド撒布の影響(6.植物の代謝および代謝成分)
- 6-15 ダイズの窒素固定に対する花切除および植物ホルモン投与の影響(6.植物の代謝および代謝成分)
- 42. MCP, ベンダゾン混剤(MCP・BAS)の水田多年生雑草に対する作用性
- 新除草剤オキサジアゾン(G-315)に関する研究 : 第4報 各種水田土壌の性質と水田条件下におけるオキサジゾンの作用性
- 7. 各種水田土壌の性質と水田条件下におけるオキサジアゾンの作用性
- 2. MCC[methyl-N-(3, 4-dichlorophenyl)carbamate]に関する研究 : 第2報 湛水下のノビエに対する効果
- α-Chloro (or bromo) acetamide系除草剤に関する研究 : 乾田直播用土壌処理剤としての実用性について
- 31.Brassinolideの植物生理活性(第3報) (第20回大会研究発表抄録)
- 15.エチクロゼート(フィガロン)の作用性(第6報)カラタチ幼植物および 早生温州の養分九州について (第20回大会研究発表抄録)
- 14.フィガロン(Ethychlozate)の作用性(第5報)カラタチ幼植物の生長に及ぼす影響 (第20回大会研究発表抄録)
- 31 Brassinolideの植物生理活性(第3報)
- 15 エチクロゼート(フィガロン)の作用性(第6報)カラタチ幼植物および早生温習の養分吸収について
- 14 フィガロン(Ethychlozate)の作用性(第5報)カラタチ幼植物の生長に及ぼす影響
- 20 Brassinolideの植物生理活性(第2報)
- 11 4-ハロゲノインドール関連物の生理作用(第1報)
- 29 フィガロンの作用性(第4報).ウンシュウミカンの浮皮抑制とエチレン作用について.
- 28 フィガロンの作用性(第3報)ウンシュウミカンの浮皮抑制とエチレン作用について
- 27 フィガロンの作用性(第2報).ウンシュウミカンの成熟促進作用について.
- 29 Brassinolideの植物生理活性(第一報)
- 7 内生オーキシン生成量の日変化と生長パターンについて
- フィガロンの生理作用と利用開発
- 32 フィガロンの作用性
- MCC(Swep)に関する研究 : 第1報MCCおよび関連化合物の殺草性およびイネに対する作用
- 1. MCC[methyl-N-(3, 4-dichlorophenyl)carbamate]に関する研究 : 第1報 Cl-IPCとの作用性の相違
- α-Chloro (or bromo) acetamide系除草剤に関する研究 : 作用特性について
- 14. α-クロロアセトアマイド系除草剤に関する研究 : 第1報 CDAA, CP-31393, CP-31675及びCP-45592の作用特性
- 新除草剤オキサジアゾン(G-315)に関する研究 : 第3報 選択殺草性に関する二,三の考察
- ウンシュウミカンに対するエチクロゼートの浮皮軽減効果について
- 新除草剤オキサジアゾン(G-315)に関する研究 : 第2報 土壌の特性とオキサジアゾンの水田除草剤としての作用性
- 35. 土壌の種類とオキサジアゾン(G-315)の作用力
- 15. α-クロロアセトアマイド系除草剤に関する研究 : 第2報 CDAA, CP-31393, CP-31675及びCP-45592のイネ用除草剤としての実用性
- オキサジアゾン乳剤による新しい水田除草法の確立に関する研究
- オキサジアゾン乳剤による新しい水田除草法の確立に関する研究
- ウンシュウミカンの浮皮に及ぼすエチレンの影響
- 22. オキサジアゾンに関する研究 : 2) 湛水直播水稲に対する適用性
- 21. オキサジアゾンに関する研究 : 1) 水田土壌によるオキサジアゾンの吸着性について
- オキサジアゾンの作用点と作用機構(農薬の作用点と作用機構 (5))
- 2, 4-D (MCP, MCPB) の作用点と作用機構(農薬の作用点と作用機構 (1))