ミズガヤツリ塊茎の側芽の萌芽に及ぼすスルホニルウレア系除草剤の促進作用

概要

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ミズガヤツリ塊茎の初期生長に及ぼす数種除草剤の作用をガラス室内のポット試験により調べた。その結果,ピラゾスルフロン-エチル,プレチラクロール,クロメトキシニルおよびベンゾフェナップは頂芽を有するミズガヤツリ塊茎の茎葉の成長と分株を抑制した。特に,ピラゾスルフロン-エチルとプレチラクロールの抑制作用は著しく,0.5〜2.0g/10aと50g/10a相当量の薬量で,茎葉の成長と分株はほぼ完全に停止した (Fig. 1, Fig. 2)。しかしながら,ピラゾスルフロン-エチルおよびプレチラクロールはクロメトキシニルおよびベンゾフェナップと異なり,側芽の萌芽を促進した。ピラゾスルフロン-エチルの促進作用はプレチラクロールよりも大きく,側芽の成長は阻害されるものの,萌芽数は0.125g/10aから薬量とともに増加し,2.0g/10aの薬量では,塊茎上のほとんどの側芽が萌芽した。一方,無処理区の塊茎では,側芽はほとんど萌芽せず,人為的に頂芽を切除した場合にも約1個の側芽が萌芽したに過ぎなかった (Fig. 3)。さらに,0.1〜1.0g/10a相当量のベンスルフロン-メチル,フラザスルフロンおよび30〜300g/10a相当量のベンジルアデニン (BA) もミズガヤツリ塊茎の側芽の萌芽を促進したが,BAはこれらのスルホニルウレア系除草剤と異なり,側芽の萌芽以外にも,分株や出葉 (葉数) を促進した (Table 1)。以上の実験結果から,供試したミズガヤツリ塊茎は強い頂芽優勢を有しており,ピラゾスルフロン-エチル,ベンスルフロン-メチルおよびフラザスルフロンはミズガヤツリ塊茎の茎葉および分株を強力に阻害するが,側芽の萌芽を促進し,頂芽優勢に対して何らかの作用を有することが示唆された。
日本雑草学会の論文
1993-12-22

ミズガヤツリ塊茎の側芽の萌芽に及ぼすスルホニルウレア系除草剤の促進作用

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