沖縄県の主要作物畑における雑草群落の周年変化
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概要
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沖縄県の主要作物として、サトウキビ、パイナップル、野菜を取り上げ、これらの栽培畑における雑草群落の変化を調査し、作物栽培が雑草群落の周年変化におよぼす影響を明らかにした。 1.雑草群落の平均草高の推移を各作物の高さと比較すると、サトウキビ畑では春植えの生育初期を除いて、サトウキビより低かった。パイナップル畑における雑草の草高は、春植え畑ではパイナップルより低いが、株当し畑では高かった。また野菜畑ではほぼ周年にわたって雑草の草高が野菜より高かった。 2.各作物畑の出現種数の周年変化は周年出現種を基本構成種として、季節出現種の増減によって変動した。周年出現種はサトウキビ春植え畑で最も少なかった。季節別出現種数は、サトウキビ畑では春から季節を追って減少し、パイナップル畑、野菜畑では夏期に少なく冬春期に多かった。年間の出現種数は、耕起や肥培管理の最も多い野菜畑で最も多く、耕起の少ないパイナップル株出し畑は景も少なかった。 3. 出現雑草の出現型を出現開始季節と出現期間によって分けると、周年出現型と長期春出現型、長期秋出現型の3型が多かった。優占種の出現型は周年出現型、長期の春、秋出現型、短期の春、夏、秋、冬出現型が多かった。 4.各作物畑における雑草の出現型は、全作物(作型)畑で周年出現型を示した草種の他、全作物畑で出現し、作物畑によって出現型が異なる草種、全作物畑で季節出現型となる草種、特定の作物畑で周年出現型、または季節出現型となる草種があった。 5.周年出現種の中に、一年草(越年草)でありながら、個体間の生育期間が異なるため周年にわたって出現する通年生一年草があった。パイナップル株出し畑では周年出現種が多く、その中には多年生雑草が多く含まれた。
- 1991-12-26
著者
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