兵庫県東播磨地方のため池における「チクゴスズメノヒエ」の分布 : 類似した生態的地位を占めるイネ科水生雑草3種との比較
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概要
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Occurrence of the tetraploid (4X : 2n=40) of Paspalum distichum L., which has been spreading in the creeks of the Chikugo Area, Kyushu, (hereafter named "Chikugo-suzumenohie" in Japanese) was recorded in the East Harima Area, Hyogo Prefecture. With a view to elucidating the ecological traits of this aggressive aquatic weed, its distribution was investigated in irrigation reservoirs located in the East Harima Area, together with the distribution of three aquatic grasses (Paspalum. distichum (6X), Leersia japonica and Pseudoraphis ukishiba) which have the same growth habit as "Chikugo-suzumenohie" and occur in a similar ecological niche in waters. While L. japonica (Fig. 2C) and P. ukishiba (Fig 2A- solid circles) were distributed m a wide range of the investigated area, "Chikugo-suzumenohie" (Fig. 2A-open circles) and Paspalum distichum (6X) (Fig. 2B) were apparently restricted to the southern part of the area. L, japonica and P. ukishiba showed a rather ubiquitous occurrence in relation to the topography and water chemistry of the reservoirs. In contrast, "Chikugo-suzumenohie" and Paspalum distichum (6X) mostly occurred in eutrophic reservoirs located in plains. It was observed that the environment of the reservoirs where "Chikugo-suzumenohie" was found had been disturbed by the reconstruction of the bank, etc.. It is suggested that the establishment and spread of "Chikugo-suzumenohie" was promoted by the recent eutrophication of waters and disturbance of water's edge.
- 1985-05-25
著者
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