一年生帰化雑草イチビ(Abutilon theophrasti Medic.)の発芽特性及び出芽特性
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概要
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耕地におけるイチビ(Abutilon theophrasti Medic.)の発生機構を明らかにするため,イチビの発生及び出芽特性の検討を行った。1)イチビの一次休眠覚醒は,5℃低温風乾条件下で促進されたが,25℃風乾貯蔵や,埋土処理の種子においても発芽試験開始後3ヶ月目で発芽が認められた。このことから,自然条件下においてもイチビの一次休眠の覚醒は必ずしも低温を必要とせず,秋期に進行することが示唆された。2)新鮮種子の発芽適温は30℃であり,変温効果や光発芽性が認められた。一方,1年間風乾貯蔵状態にあった種子は,発芽適温域が拡大し,さらに光発芽性も失われる傾向にあった。また,発芽率は季節による変動も少なく高い値で終始した。3)出芽時期試験から,イチビの発生は比較的斉一的である傾向が認められた。また,耕地におけるイチビの発生は表層より5cm以内の浅層からによることが明らかとなった。4)イチビの植物体上部に着生した果から得られた種子は,下部に着生した果の種子に比べ,種子重が小さく,出芽率は低かった。しかし,出芽期間が長く,不斉一発生をする傾向が認められた。
- 日本雑草学会の論文
- 2001-06-29
著者
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