畑圃場におけるチオベンカーブの土壌溶液中濃度の消長と殺草活性

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畑圃場におけるチオベンカーブの土壌中の消長について, 二重遠心管を用いた遠心分離法により, 土壌溶液および遠心残査土(遠心土)に分け, 存在形態の経時的変化および殺草活性との関連性について検討した。チオベンカーブ(50%乳剤)15kga.i./ha処理において, 本剤の大半が遠心土中に存在しており(Fig. 1), 両者の分配比(土壌溶液中濃度/遠心土中濃度)は処理当日においては約2%であった。土壌溶液および遠心土中濃度は, 処理7日後から急激に減少し始め, その後さらに減少した。また分配比は, 処理7日後から減少し始めたものの, 処理20日後から処理時程度まで増加した(Fig. 2)。室内実験では, 散布処理したチオベンカーブは, 土壌表層1cm以内にそのほとんどが分布し, 土壌溶液中濃度は圃場試験において5cm深で採取した場合に比べ, 20倍近くであった(Table 1)。一方, チオベンカーブのソルガムに対する影響については, 処理後2週間以内に全ての調査項目において生育阻害が観察されたが, その後生存個体では, 葉齢に続いて草丈・新鮮車が回復したことから, 処理後2週間以内の作用がその後の生育に強く影響していることが明らかとなった(Table 2)。水耕法でのソルガムのチオベンカーブ感受性の結果(Fig. 3)も合せて考えると, 土壌表層(lcm以内)における処理1週間以内の土壌溶液中の薬剤濃度がソルガムに対する生育抑制効果に大きく関与していると推測される。
日本雑草学会の論文
1996-02-09

畑圃場におけるチオベンカーブの土壌溶液中濃度の消長と殺草活性

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