フルニキシンメグルミンのウサギ体内動態における能動輸送系の関与(薬理学)
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概要
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フルニキシンメグルミン(FNX)のウサギにおける体内動態を調べた. FNXを静脈内投与(2mg/kg)して血中動態を測定したところ, 血漿蛋白との結合率が99%以上であるにもかかわらず, 半減期は4時間以内と短く, 分布容は約0.5L/Kgと大きかった. 血漿蛋白と高率に結合する薬物は, 半減期は長く, 分布容は小さいのが通常である。FNXのウサギにおける体内動態には, 能動輸送系が関与していることが予想された. そこでこの能動輸送系の関与を明らかにするために, まずFNXの尿中排泄を測定したところ, 投薬量の約9%が24時間以内に尿中に排泄された. 腎クリアランスは, ほぼ腎血流量に匹敵する結果であった. これはFNXが, ウサギの腎尿細管で能動的に分泌されている可能性を示唆している. 次に, 肝細池膜にある能動輸送系OATP-2のFNX動態への関与を調べるために, ヒトやラットの肝細胞膜にある能動輸送系OATPの基質であるプラバスタチンを, FNXと同時投与した. その結果, 分布容と全身クリアランス値が有意に減少した. FNXは肝細胞に能動的に取り入れられ, 消失を受けていることが推察された. 以上から, FNXのウサギでの体内動態は, 少なくとも腎と肝の2カ所で能動輸送系の関与を受けていること, 肝での輸送系の方がより体内動態に大きな影響を与えていることが考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2001-08-25
著者
-
下田 実
東京農工大学農学部獣医学科獣医薬理学教室
-
小久江 栄一
東京農工大(農)家畜薬理学
-
小久江 栄一
東京農工大学農学部獣医薬理学教室
-
宮崎 好永
東京農工大学獣医学科家畜薬理学研究室
-
堀井 佳広
東京農工大学獣医学科家畜薬理学研究室
-
池永 直浩
東京農工大学獣医学科家畜薬理学研究室
-
堀井 佳広
東京農工大学獣医学科家畜薬理学研究室 :大日本製薬(株)アニマルサイエンス部研究所:岐阜大学大学院連合獣医学研究科
-
小久江 栄一
東京農工大
-
下田 実
東京農工大学農学部家畜薬理学教室
-
下田 実
東京農工大学
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