正常および高グルタチオン濃度を示す遺伝性高Na^+, K^+-ATP_ase大赤血球のメトヘモグロビン生成および還元
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概要
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正常なグルタチオン(GSH)濃度を示す遺伝性高Na^+, K^+-ATPase犬赤血球(犬HK-low GSH赤血球)のメトヘモグロビン生成および還元について, 高K^+高GSH濃度を示す犬赤血球(犬HK-high GSH赤血球)および正常犬赤血球(犬LK-low GSH赤血球)と比較した. 亜硝酸塩によるメトヘモグロビン生成速度はLK-low GSH > HK-low GSH > HK-high GSHの順で大きく, メトヘモグロビン濃度は7分および15分で各群間に有意差がみられた. グルコースによるメトヘモグロビン還元速度は, HK-low GSH, HK-high GSH共にLK-low GSHの約1.7倍であった. ピルビン酸生成量から, メトヘモグロビンは主としてNADH-メトヘモグロビンリダクターゼにより還元され, 糖代謝とカップリングしていることが確認された. またHK-low GSH犬赤血球は, 高ピルビン酸キナーゼ活性にともない, HK-high GSH犬赤血球と同程度に高い糖代謝速度を示した. HK-low GSH犬赤血球のヘモグロビンが, LK-low GSH犬赤血球に比べ酸化から強く防御されているのは糖代謝促進によるものと考えられる.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1994-10-15
著者
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小川 絵里
麻布大学獣医学部病理学第二講座
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小川 絵里
麻布大学獣医学部病理学第2講座
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堀井 佳広
麻布大学獣医学部病理学第2講座
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本田 真由美
麻布大学獣医学部病理学第2講座
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高橋 令冶
麻布大学獣医学部病理学第2講座
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堀井 佳広
東京農工大学獣医学科家畜薬理学研究室 :大日本製薬(株)アニマルサイエンス部研究所:岐阜大学大学院連合獣医学研究科
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