1985-1999年の北海道における発育不全症候群を伴う豚サーコウイルス感染の発生状況
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概要
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豚サーコウイルス(PCV)の感染状況を, 1985年から1999年に剖検された豚(1-200日齢)220頭を用いて病理組織学的に検索した.PCVによる病変およびPCV抗原は1990年の発育不良を伴う症例に初めて確認され, 1990年以降に剖検した189頭中42頭(22.2%)のリンパ組織に認められた.陽性率は1997年から上昇傾向にあり, 1999年には50.5%に達した.リンパ組織(リンパ節, パイエル板, 扁桃および脾臓)の病変は, リンパ球の減少と大食細胞の浸潤からなり, 大食細胞の滴状好塩基性細胞質内封入体も高頻度に認められた.PCV抗原は細胞内封入体に一致して検出されたほか, リンパ球, 大食細胞および回腸粘膜上皮の核内にも検出された.電顕的に細胞質内封入体はライソソーム様を呈し, エンベロープを欠く, 正20面体のウイルス粒子を含んでいた.PCVと他の病原体の混合感染が多くの症例(90.5%)に認められ, その52.4%にはprocine reproductive and respiratory syndrome virusの感染が認められた.PCVによる病変はリンパ組織に主座し, 混合感染もみられることから, PCVが免疫抑制を起こすと考えられた.腸粘膜上皮におけるPCV抗原の存在は, 糞便によるウイルスの伝播を示唆していた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2000-06-25
著者
-
芝原 友幸
(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所
-
芝原 友幸
家畜衛試
-
芝原 友幸
農林水産省家畜衛生試験場北海道支場
-
石川 義春
農林水産省家畜衛生試験場北海道支場
-
門田 耕一
農林水産省家畜衛生試験場北海道支場
-
久保 正法
農林水産省家畜衛生試験場
-
久保 正法
(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所
-
門田 耕一
(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所北海道支所
-
近藤 博
北海道石狩家畜保健衛生所
-
石川 義春
(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所北海道支所
-
佐藤 研志
農林水産省家畜衛生試験場北海道支場
-
佐藤 研志
北海道十勝家畜保健衛生所
-
佐藤 幹
東北大学農学部家畜栄養学研究室
-
石川 ユミ
石川犬猫病院
-
佐藤 研志
北海道十勝家畜保健衛所
-
近藤 博
石狩家畜保健衛生所
-
Ishikawa Yoshiharu
Hokkaido Research Station National Institute Of Animal Health
-
佐藤 耕太
鳥取大学農学部獣医内科学教室
-
久保 正法
農林水産省
-
Ishikawa Yumi
Veterinary Teaching Hospital School Of Veterinary Medicine & Animal Science Kitasato University
-
Ishikawa Yumi
Veterinary Teaching Hospital Kitasato University
-
Shibahara Tomoyuki
Hokkaido Research Station National Institute Of Animal Health
-
久保 正法
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
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