鶏用オイルアジュバントワクチンの抗原の放出性と免疫効果の関係

概要

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オイルアジュバントワクチンの高い持続効果は, ワクチンからの抗原の放出制御に関わると言われているが, 抗原の放出性と免疫効果の関係については未だ不明な点多い.そこで, モデル抗原として牛血清アルブミン(BSA)を用い, 処方組成の異なるワクチンを調整し, in vitroにおける抗原の放出性と鶏に投与後の抗体産生能を調べた.ワクチンは, 処方中の界面活性剤のHLB値(hydrophile-lipophile-balance)および水相部と油相部の配合比率(A / O比)を変化させ調製した.それらワクチンからのBSAの放出性を比較したところ, 低HLBおよび / または低水相量のワクチンがBSAの放出を抑制した.また, 放出抑制と抗体産生の関係を調べると, 放出速度定数k値の小さいワクチンほど, 高い抗体産生と長期間持続させ得ることが確認された.また, 抗原として鶏伝染性コリーザA型菌を用い, 投与後のHI抗体価を調べたところ, HLB4.8, A / O比3 / 7のワクチンが高い抗体価を持続させ得ることが認められ, BSAと同様の傾向であった.このことから, in vitroにおける抗原の放出とin vivoにおける抗体産生とは高い相関性のあることがわかった.
社団法人日本獣医学会の論文
2000-06-25