マウスにおけるジアゼパム誘発性過食はクインピロール感受性である
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概要
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マウスにおいて, ジアゼパム(DZP, 1 mg/kg, i.p)がドーパミン作動性過食を誘起する可能性を調べた. この目的でドーパミンD-2受容体作動薬であるクインピロール(QP)を用いた. マウスを24時間絶食し, 絶食からの解放30分前にQPを1 mg/kg s. c. (QP-1)あるいは2mg/kg s. c. (QP-2)投与した. 絶食からの解放10分前にはDZPを投与した. 対照群にはそれぞれの薬物投与に際して溶媒を投与した. 絶食解放後食餌を与え, 30分間隔で6回の摂食量(30分間摂食量), 3時間あたりの摂食量, 迷路を克服して食餌室に至るに要する時間(食事室到達時間), 食事室到達後摂食に要する時間(摂食潜時), 30分間隔あたりおよび3時間あたりの摂食頻度を測定した. DZPは摂餌を促進し, 食事室到達時間の変化を伴わず摂食潜時を短縮し, 摂食頻度を上昇した. DZPの過食作用は最初の30分間に限って認められた. QP-1およびQP-2は共に, 単独では, 30分間隔で測定した摂食量を最初抑制し, 次いで時間を追って促進し, 最後には抑制した. この時3時間あたりの全摂食量を変化しなかった. したがって, 摂食量の経時的変化はベル型を呈した. また, 食事室到達時間や摂食潜時を延長し, 30分間隔の摂食頻度を抑制したが3時間あたりの摂食頻度には影響しなかった. QPはDZPの全ての過食性反応を遮断した. 以上の成績はDZP誘発性の過食がドーパミンD-2受容体作動性に発現する可能性を示している.
- 1999-07-25
著者
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